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奈良のアラカルト=ナラカルトは奈良の観察記録です。

東大寺の春/幾種類もの桜で境内一円を荘厳。すこぶる評判のおかっぱしだれ桜は正倉院の前で咲いています。

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すでに散ってしまった桜、今こそが満開の桜、これから咲こうとする桜、東大寺にはさまざま種類の桜が咲き誇り、長きにわたって春を楽しませてくれます。なかでも名物のような存在のおかっぱしだれ桜は可憐な蕾もつけて今が盛り。不思議な形をしていますが鹿の届く高さの枝が鹿によって食べ尽くされているからです・・・いやはや!

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境内は山と野原を抱え込んだような広大さです。背後の原生林から吹き渡ってくる風が色とりどりの花びらを参道に散り敷いています。在原業平が「世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし」と詠みました。花びらが散るか散らぬかとハラハラとして落ち着かないと言っています。せっかくの春がすぐに終わってしまうと・・・いやはや。

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奈良町周縁 桜/満開になってもひっそりと。花の華やぎがいっそう引き立っています。

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花見といえば桜ですが、どこに行っても人の多さにうんざりしてしまいます。ところが奈良町の桜となると静かに佇んでいる木をいたるところで観ることができます。そよ風でも吹けばひらひらと花びらが舞い、日の光を受けた透明感のある白さとともにいっそうの華やぎを味わわせてくれます。和らぐ匂いを独り占めできる桜。そうそうあるものではありません。

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奈良町の南に位置する徳融寺の桜は絶品。掃き清められた境内に所狭しと並んでいますが、なんといっても山門の先にある大木が見事。咲き始めも、満開のときも、そして散りゆくときもすべてが美しい。興福寺の三重塔あたりから春日大社の山門に向かえば花見客が多くなりますがそれもまた春の風物詩。奈良町には静と動の桜が混在しています。

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十輪院 石の魅力/空海もゆかりの深い寺院。奈良時代からの石造仏が境内のあちこちに点在しています。

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奈良時代は言うに及ばず鎌倉時代以降の石造仏が目を引きます。大きさもさまざまで菩薩像や不動明王などの仏像ばかりか、中世から流行り始めた地蔵信仰のためのお地蔵さんが出迎えてくれます。梵字だけを彫った石柱や曼荼羅を描いたといわれる石もあります。時代の変遷によって信仰の対象が替わってきたことがよくわかります。さして広くない境内ですが石の彫刻を楽しむように歩くと1000年以上の道のりを歩くことに・・・いやはや!

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寺院の建造物や仏像の多くは木製です。従って火事ともなるとあっという間に消失してしまいます。ところが十輪院空海が手がけたといわれる本尊も石で造られています。撮影禁止ゆえここでは紹介できませんがとても珍しいもので一見の価値はあります。

 

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奈良町 風光る春/木の芽があっという間に伸び広がり、春の花が晴れがましく風に揺れています。

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色味の少なかった冬の季節が一気に暖かい色に包まれています。春風が吹くたびに色とりどりの花が咲いていくようです。奈良の特徴的な花と言えば馬酔木(あせび)です。なんでもむしゃむしゃ食べてしまう鹿さえこの馬酔木だけはかじりません。もちろん猪や兎や馬なども。酔ったような状態になり死にいたることもあるとか。結果としてこの木は守られることになり、奈良の地のあちこちに繁殖することになったのです。万葉の歌人たちもさかんに歌に詠んでいます。「あしひ木の大和」という枕詞もあるほどです。

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原生林から吹き下ろしてくる風は冬ごもりからの目ざめをうながしているようです。そこへ春の日が惜しみなく降りそそぎ野の花をはじめとしてコブシや沈丁花などの春の花をつぎつぎと開花させています。辺りは光に満ちて明るく、花を観賞している私たちの気持ちまで春風にそよいでいるようです。

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山辺の道 春を歩く 3/ひょっとすると縄文時代からあったのではないかと思わせる山道がくねくねと続きます。

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記紀によると飛鳥時代にこの道はあったと記されていますが、言い伝えによると奈良盆地がまだ沼地だった頃にもその周縁の小道として存在していたようです。となれば数千年にもさかのぼる時間がこの道を歩いていたのです。柔らかな風の吹くのどかな春になりましたが、昔も同じ春だったのだろうかと景色を眺めているとカラスがかぁと返事をしました。いやはや。

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枯れ草の広がる山間の色は暖かいベージュですが光の具合によって黄金に輝いています。冬の冷たい風に揺れている時の厳しさはすでにどこにもなく、そっと包んでくれる毛糸の編み物のように柔らかく広がっています。冬と春の色味が混じり合ってこその春。飛鳥の歌人たちも遠くからこの風景を眺めて春の息吹を歌い上げました。

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山辺の道 春を歩く 2/春の野を渡る風はまだ冷たいといいながらも歩くにはもってこいの季節。暑くもなく寒くもなく。

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摘み草の季節となり、桃の節句にかかせない柔らかな桃の赤とヨモギの緑が目に鮮やかです。どちらも女の子のための飾りとおやつにふさわしい。ヨモギの若葉はいたるところで風にそよいでいます。草餅となり小腹を満たしてくれ・・・いやいや、春の歓びに満ちて山辺の道を若やいだ散歩道に彩っています。

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冬の名残をとどめる色も混在してふわっと明るい田園風景が広がっています。どの木にも小さな芽が吹き出していて新鮮で無邪気で素朴な匂いが鼻をくすぐります。耳を傾けると枯れ木や枯れ草の間からつややかな緑がほの見えて春の声が聴こえてくるようです。寒さを耐え忍んできたものたちの歓喜の歌のようです。

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山辺の道 春を歩く 1/奈良の古い道となればどこを向いても古代の気配が色濃く残っています。昔日のよすがはいずこにも。

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ちょっと見には静かな田園風景ですが、いたるところに大小の古墳があって、その脇を通り過ぎるごとに古代の景勝がしのばれます。小さなものは直径一メートルほど。大きなものになると、なんと言えばいいのか、とにもかくにも巨大です。さまざまな種類の鳥がしきりに訪れて玉を転がすように春を歌い上げています。

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枝移りする鳥たちの姿を追っていると、生命の躍動を感じさせる春の草花に引きよせられます。田畑は暖かい日差しをうけて土を蘇らせています。まるで耕作の準備に余念がないような微笑ましい光景です。絵になりきったような田園に見とれていると、古代の人びともこの景色に触れて春の訪れを歓んでいたのだなと感慨深くなります。ここから南のすぐ先に飛鳥の地が広がっています。

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