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奈良のアラカルト=ナラカルトは奈良の観察記録です。

古墳

佐紀 梅雨時のこと/空気をつかめば水が滴ってくるような日々でしたが、鳥も、昆虫も、花もいきいきしていました。

佐紀の古墳や水上池で目に触れるもの、思いのほか活力にあふれていました。すこし前に楽しんだモネの池はさらに色が濃くなり、見わたす限りしっとりとした風景が広がっていました。葉っぱも花びらも肉厚になったようでした。 昆虫はせわしそうに動き回り、鳥…

三条通/貴族の高級住宅街を貫いた1300年前の三条大路。もちろん貴人ばかりでなく鹿も闊歩していました。

東西に走る三条通。東は春日大社の参道になりますが、西の端は大阪への最短距離の道となる暗峠に通じています。平城京のまん中を貫く五条大路より以北が貴族に許された高級住宅街だったそうですから、三条大路となれば、平城宮に近い分だけ位の高い貴族が住…

柳本/1300年前、インドの高僧がはるばると来日。善無畏三蔵(ぜんむいさんぞう)。奈良に密教を伝え、そして柳本へ。

インド人の善無畏三蔵は国王でしたが故あって出家しました。密教を流布すべく長安に渡りました。天才でした。国賓の扱いを受け、さまざまな経典を漢訳しました。その甲斐あって中国に密教ブームが到来。その後、善無畏三蔵は密教をさらに広めるため元正天皇…

若草山と原生林/頂上への散策路が原始林で覆われている。木漏れ日が揺れている。古代を歩くよう。

いつ登っても、なんど歩いても、飽きることのない散策路です。人の手が加わっていない森の中を縫うようにして自動車の通らない砂利道が続きます。表の整備された公園の道を歩くことも、はたまた自動車で山頂に向かうこともできますが、原生林の道でこそ自然…

龍王山/左右に古墳の連なる山道。頂上の城跡から望む大和の大地。遙かなる古代に旅するようです。

柳本の崇神天皇陵の脇を抜けて龍王山への道に入ります。思いのほか石がゴロゴロした急な坂もあり、やや難儀。ところが古墳の連なりが目に入ると一気に古代の風景の中へ。柿本人麻呂の奥さんのお墓もどこかにあるはず。往時の貴族達は頬をぬらしながらこの道…

明神山 王寺/厩戸皇子ゆかりの地。眼下には奈良と大阪をつなぐ大和川。奈良盆地と大阪平野が一望できます。

JR王寺駅から明神山山頂までおよそ2時間のハイキングコースです。山頂からは全方位の景色が楽しめます。東には奈良盆地が横たわり、真ん中あたりに耳成山、香具山、畝傍山の大和三山が点在しています。北はかすかに京都の比叡山が見えています。南は金剛山…

佐紀丘陵 古墳の日なた/大小あわせて60あまりの古墳。まるで原生の森。記紀の世界がじわりと広がります。

磐之媛(いわのひめ)や日葉酢媛(ひばすひめ)など女性の陵が多い所ですが、200メートルを超える大きな陵の連なりを見ているといつしか墓であることを忘れてしまいます。手つかずの自然は原生の森とかわらぬ植生を見せてくれます。巨大に育ったシイやカ…

山辺の道 真ん中辺りをぶらぶらと/日本最古の道。古くて新しい小道が南北にゆるやかに刻まれています。

古事記にも明記されている山辺の道。古くから要衝を結ぶ道として栄えたこともあり、黎明期の日本のこころがいまなお連なっているように見えます。北には最古の神社と言われもする石上神宮があり、南には神宿る山と呼ばれる三輪山がひかえています。その間に…

奥飛鳥 稲渕集落/蘇我家打倒の気運が高まり謀議はここ稲渕で。入鹿の暗殺を経て国家の体裁は整えられていきました。

奥飛鳥の入り口に蘇我馬子の古墳と推定されている石舞台があります。そこから少し南下すると稲渕の集落ですが、その途中にきわめて珍しいピラミッド型の古墳があります。これは蘇我稲目のものと比定されています。勢力の強さを物語っていますがそれだけに反…

山辺の道/纏向(まきむく)はヤマト政権発祥の地。どこを見わたしても古代が色濃く縁取られています。

纏向は弥生時代から古墳時代にかけての都市だったとか。農耕具がほとんど出土せずに、土木工事の工具ばかりが出てくるそうです。この国に自生しないベニハナの花粉が確認され染色用であったと推測されています。となれば渡来人の高度な技術がここにあったと…

佐紀 磐之媛命陵/モネの睡蓮とまがうばかりの風景。濠に幻想が満ちています。

印象派の巨匠クロード・モネは、自邸の池に浮かぶ睡蓮の花をこよなく愛しました。庭そのものが最高傑作であると自負するほど花の池と水の池にぞっこん惚れていました。そして睡蓮をモチーフにして多彩に描いてみせました。浮世絵をこよなく愛したモネは、色…

神武天皇陵/古墳らしからぬ古墳。音もせず、風も吹かず、ただ太陽の光が射していました。

橿原神宮の北に畝傍山があり、そのまた北に連なるように神武天皇陵は位置しています。こんもりとした木々に囲まれるようにして三者は一体となって存在しています。紀元前660年のこと、記紀が伝える第一代の神武天皇は橿原で即位しました。日本のはじまり…

東大寺 山陵祭/オープンエアのアカペラ。新緑に声明が響き渡ります。

聖武祭の翌日のこと。東大寺一山の僧侶は佐保山御陵に向かいました。 聖武天皇が祀られています。深く頭を垂れ参拝する。声明が空に舞う。かくも荘厳な響きがあっただろうかと感慨深いものがありました。 声明声は陵の青青と茂った木々に向けられます。すべ…

佐紀/古墳を取りまく、その色合い、その深さ、その光。まるでラファエル前派の絵を見ているようです。

デジャビュというべきか。どこかで見たことのあるような光と影が目に染みます。美しき水面にオフィーリア・・・。「ハムレット」の象徴的な一場面を描いたジョン・エヴァレット・ミレーの絵画がここに表出したようです。19世紀の英国の画家が求めた風景。…

安倍文殊院/快慶の渡海文殊群像。特別史跡の西古墳。創造することのなんたるかを学ぶ。

奈良博物館の快慶展では巨大な写真でしか拝見できない渡海文殊群像。じっさいに拝見するには安倍文殊院まで出向くしかありません。 快慶の天才ぶりがほとばしっていました。鎌倉時代に東大寺が再建される前の造立です。渡海文殊の清然とした顔つき、善財童子…

飛鳥古京の時代、仏教が伝来。言霊の霊妙な働きによって国は成りたつと考えられた。このとき万葉集が立ち現れた。

政治文化の中心地となった飛鳥は中国の都をまねた景観を持ち、豪族の邸宅が建ち並んでいたという。庶民は奈良時代にあっても竪穴式住居で暮らしていたそうですが、都市生活者が初めて出現した時代となりました。 飛鳥、そのことばの響きは穏やかですが、蘇我…

佐紀の古墳群。古代が現代に生存していると言ってしまえば大袈裟か。それでも遠い昔の風景がぐっと迫ってくる。

古墳は神聖な場所ゆえ、原生林に似て手つかずの自然が残されました。鳥の鳴き声かまびすしく、のびやかな土盛りの起伏と満々と水をたたえた堀を見ていると古代の景色が胸のうちに広がっていきます。 信仰の強さを思わずにはいられませんが、風にも雨にも聖な…

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