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奈良のアラカルト=ナラカルトは奈良の観察記録です。

土塀

東大寺/梅雨晴れの朝 大仏殿裏手の木々を渡ってくる風は瑞々しい。行基も重源もこの空気を味わったに違いない。

お水取りと言われる修二会では神名帳を読誦しますが、はじめに読み上げられるのは金峯山寺の蔵王権現です。金峯山寺とは修験道の開祖と伝えられる役行者が創立した寺であり、蔵王権現とは吉野の山で修行中に感得した釈迦如来の化身です。 行基や重源のみなら…

斑鳩/尼門跡 中宮寺 尊皇攘夷を標榜した天誅組の伴林光平(侍講)と佐々木信重(侍医)が出入りしていました。

斑鳩の隣町である安堵町。ここに安堵社中というサロンがありました。国学や和歌だけではなく、幕末の風雲急を告げた時勢を論じあっていたそうです。伴林や佐々木が中宮寺の門跡に相通じる思想を持っていたことは想像に難くありません。法隆寺の境内を歩きな…

高畑「志賀直哉旧居」。志賀直哉は引きつけられるようにして奈良に移り住んだ。 古美術をこよなく愛したという。

近代は高らかにラッパを吹き鳴らして始まりましたが、西洋からの怒濤のごとき近代文明の侵入に抗しきれず自分を見失いがちでした。自然は破壊され、日本文化が崩壊していく。小説の神様といわれた志賀直哉にしても同じことでした。苦悩は病的なほど膨らみき…

奈良町。ぶらりと歩けば古代も、中世も、近世も、そこここに。そんな中に現代がゆるりと踏ん張っている。

谷崎潤一郎は関東大震災のあと、古い文化の息づく大阪に住み着いてしまいました。奈良にもたびたび遊びに来ていたようです。一献かたむけるたびに、薄明かりの中の金屏風の揺らぎにはっとしたことでしょう。陰影礼賛の美を感じ取ったのも、きっと、そんな瞬…

土塀や築地塀。ひび割れしても、型くずれしても、味わい深い。古都の美しさを守る障壁に見えてくる。

土の塀。竹の塀。木の塀。昔ながらの工法で作られた塀に沿って歩けば、もうそれだけで古代の気分。往時の美的感覚に脱帽します。 自然の素材は朽ちるほどに見応えがあります。ぼろぼろになってこそ古都を古都らしくしている。なんでだろう。 古いことがこん…

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