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奈良のアラカルト=ナラカルトは奈良の観察記録です。

奈良公園 夏立つ/鹿の袋角 春蝉 萌え立つような明るさに包まれています。

野も山も緑一色。その中に梅雨入り直前の美しい花々が咲き誇っています。桜と藤が散った後の華やぎがさんざめいています。色といい、香りといい、小さいながらも神々しいまでの気高さにあふれています。まるで天外に遊ぶよう。夏の気が立ち始めました。 鹿の…

東大寺の春/幾種類もの桜で境内一円を荘厳。すこぶる評判のおかっぱしだれ桜は正倉院の前で咲いています。

すでに散ってしまった桜、今こそが満開の桜、これから咲こうとする桜、東大寺にはさまざま種類の桜が咲き誇り、長きにわたって春を楽しませてくれます。なかでも名物のような存在のおかっぱしだれ桜は可憐な蕾もつけて今が盛り。不思議な形をしていますが鹿…

奈良町周縁 桜/満開になってもひっそりと。花の華やぎがいっそう引き立っています。

花見といえば桜ですが、どこに行っても人の多さにうんざりしてしまいます。ところが奈良町の桜となると静かに佇んでいる木をいたるところで観ることができます。そよ風でも吹けばひらひらと花びらが舞い、日の光を受けた透明感のある白さとともにいっそうの…

奈良町 風光る春/木の芽があっという間に伸び広がり、春の花が晴れがましく風に揺れています。

色味の少なかった冬の季節が一気に暖かい色に包まれています。春風が吹くたびに色とりどりの花が咲いていくようです。奈良の特徴的な花と言えば馬酔木(あせび)です。なんでもむしゃむしゃ食べてしまう鹿さえこの馬酔木だけはかじりません。もちろん猪や兎…

奈良町 春にほほえむ/柔らかい風 優しい日差し 梅のふくいくたる香りが漂いはじめました。

日本人は古代の昔から舶来のものをとても愛でていました。まだ独自の豊かな文化を持っていない頃ですから、その頃の先進国である中国の趣味に惹きつけられていました。文学も、絵画も、中国の真似をしていましたから、唐の文人たちが梅を肴に一杯やっている…

奈良公園 早春を歩く/萌えでる春にほど遠くても立春を過ぎれば目に暖かい風景が広がります。

寒々とした冬の枯れた色の間にいつとはなく暖かい色が増えてきました。春霞の中に遠くの連山が浮いているようで景色が柔らかくなりました。春とはいいながら、いまだに北風の冷たい日もありますが、目に映る梅や水仙の花が気持ちを軽くしてくれます。 春寒の…

東大寺/朝に歩けば。柔らかな光がゆっくりと射してきます。叙事詩の舞台の幕開けのようといえば大袈裟か。

天が広いことは知っていても、その広がりを実感させるところはなかなかあるものではないでしょう。東大寺の朝は絵に描いたような壮観な風景を見せてくれます。雑音は耳に届かず、雑念はどこか遠くへ。原生の裏山で鴉がかぁと鳴きました。 1300年という時…

法華寺/藤原不比等の邸宅跡。娘の光明皇后が相続し総国分尼寺としました。裏庭に歩を進めれば平城宮の庭園に迷い込むようです。

天皇の住まいであった平城宮につけ足すようにして隣接しています。はて面妖なとおもいきや、藤原不比等の邸宅であったと聞きおよび納得しました。娘の光明皇后がもらい受けて尼寺にしたというのですから格が違います。どこを見ても品のある佇まいはそうした…

佐紀 梅雨時のこと/空気をつかめば水が滴ってくるような日々でしたが、鳥も、昆虫も、花もいきいきしていました。

佐紀の古墳や水上池で目に触れるもの、思いのほか活力にあふれていました。すこし前に楽しんだモネの池はさらに色が濃くなり、見わたす限りしっとりとした風景が広がっていました。葉っぱも花びらも肉厚になったようでした。 昆虫はせわしそうに動き回り、鳥…

奈良町と周縁/降りみ降らずみの梅雨の散歩。木々を渡ってくる風はしっとりとして鈍い光さえ風景に和しています。

奈良町には1300年前の道が東西南北に走っています。細く、くねくねと、上がったり下がったり。まっすぐに見えるところでも凝視してみれば左へ右へと微妙にぶれています。なんともいえない味わいがあって趣深い。今どきこんな所ちょっとない。ああ、きっ…

大安寺/戦前戦後を通じてのこと。ベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」がドイツのピアニストによって奉納されました。

ドイツの名ピアニストと言われたヴィルヘルム・ケンプが5回にわたってピアノ演奏を奉納しています。聖徳太子を開基とする大安寺の境内にてベートーヴェンやバッハの曲が奏でられました。なんとも妙な縁ですがそもそも仏教儀式と楽舞は切り離せないものです…

東大寺と桜/裏参道から講堂跡へ。ひっそりとしながら春を咲かせている。遠目にもやわらかく清々しい。

大仏殿の裏手の桜に吉野の山や佐保川にあるような派手さはありません。静かに、柔らかく、佇んでいる。奈良時代までは花といえば中国に影響された梅だったようですが、平安時代になると俄然桜を愛でるようになります。古代から中世へ向かう中で、風景も中国…

鷺池/彼岸の過ぎる頃、南風に誘われて白木蓮と辛夷が咲きはじめました。香りも高く、おおらかに照り映えています。

白木蓮は秋頃から短い毛におおわれた蕾をつけていました。真冬には北風に耐え忍んで来る春を今か今かと待ち望んでいました。お彼岸の早春に南からの暖かい風を受けると白梅や紅梅の脇で一気に大きな花を咲かせます。むせかえるような香りを放ちとても壮観で…

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