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奈良のアラカルト=ナラカルトは奈良の観察記録です。

東大寺/朝に歩けば。柔らかな光がゆっくりと射してきます。叙事詩の舞台の幕開けのようといえば大袈裟か。

天が広いことは知っていても、その広がりを実感させるところはなかなかあるものではないでしょう。東大寺の朝は絵に描いたような壮観な風景を見せてくれます。雑音は耳に届かず、雑念はどこか遠くへ。原生の裏山で鴉がかぁと鳴きました。 1300年という時…

法華寺/藤原不比等の邸宅跡。娘の光明皇后が相続し総国分尼寺としました。裏庭に歩を進めれば平城宮の庭園に迷い込むようです。

天皇の住まいであった平城宮につけ足すようにして隣接しています。はて面妖なとおもいきや、藤原不比等の邸宅であったと聞きおよび納得しました。娘の光明皇后がもらい受けて尼寺にしたというのですから格が違います。どこを見ても品のある佇まいはそうした…

佐紀 梅雨時のこと/空気をつかめば水が滴ってくるような日々でしたが、鳥も、昆虫も、花もいきいきしていました。

佐紀の古墳や水上池で目に触れるもの、思いのほか活力にあふれていました。すこし前に楽しんだモネの池はさらに色が濃くなり、見わたす限りしっとりとした風景が広がっていました。葉っぱも花びらも肉厚になったようでした。 昆虫はせわしそうに動き回り、鳥…

奈良町と周縁/降りみ降らずみの梅雨の散歩。木々を渡ってくる風はしっとりとして鈍い光さえ風景に和しています。

奈良町には1300年前の道が東西南北に走っています。細く、くねくねと、上がったり下がったり。まっすぐに見えるところでも凝視してみれば左へ右へと微妙にぶれています。なんともいえない味わいがあって趣深い。今どきこんな所ちょっとない。ああ、きっ…

大安寺/戦前戦後を通じてのこと。ベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」がドイツのピアニストによって奉納されました。

ドイツの名ピアニストと言われたヴィルヘルム・ケンプが5回にわたってピアノ演奏を奉納しています。聖徳太子を開基とする大安寺の境内にてベートーヴェンやバッハの曲が奏でられました。なんとも妙な縁ですがそもそも仏教儀式と楽舞は切り離せないものです…

東大寺と桜/裏参道から講堂跡へ。ひっそりとしながら春を咲かせている。遠目にもやわらかく清々しい。

大仏殿の裏手の桜に吉野の山や佐保川にあるような派手さはありません。静かに、柔らかく、佇んでいる。奈良時代までは花といえば中国に影響された梅だったようですが、平安時代になると俄然桜を愛でるようになります。古代から中世へ向かう中で、風景も中国…

鷺池/彼岸の過ぎる頃、南風に誘われて白木蓮と辛夷が咲きはじめました。香りも高く、おおらかに照り映えています。

白木蓮は秋頃から短い毛におおわれた蕾をつけていました。真冬には北風に耐え忍んで来る春を今か今かと待ち望んでいました。お彼岸の早春に南からの暖かい風を受けると白梅や紅梅の脇で一気に大きな花を咲かせます。むせかえるような香りを放ちとても壮観で…

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