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奈良のアラカルト=ナラカルトは奈良の観察記録です。

鹿

奈良公園 秋を歩く/物見遊山に黄、赤、深紅の木の葉。濃淡さまざまでうっとり。天高く人も肥えて・・・!

野分の風もおさまり、ぽかぽかとした小春日和の季節になりました。晴天に恵まれ紅葉もいよいよ。色とりどりの枝を差し交わしていて驚嘆するばかり。遠くの山も赤や黄色を折り重ねています。暖かい日が続くせいか、ちらほらと狂い咲きの花を見かけます。これ…

春日大社 参道/三条通を東に歩けば一の鳥居。世俗は遮断され木々の隙間から古代の風景。原生林のこんもりした森へと続きます。

参道は深閑とした森を切り開いて造られています。ご神体の御蓋山を訪ねるように歩きます。つい先ほどの三条通の喧噪は薄められていき、いつしかこころ穏やかに歩を進めています。この道が県庁の目と鼻の先にあるとは、いやはや、いやはや! 一歩一歩進むごと…

興福寺 東金堂/聖武天皇は叔母であった女帝の元正天皇のために建立しました。平癒のための祈りの場でした。

父の文武天皇は7歳の時に急死しましたが、幼すぎた皇子は天皇になることができませんでした。そこで父の母、そして母の妹が中継ぎの天皇となりました。異例ずくめですがようやく24歳の時に即位することになりました。生誕したときから波乱の中で生きた聖…

春日大社/藤原不比等 大和朝廷の骨格を築いた藤原鎌足の次男。藤原家の祖先神として神社を建立しました。

この国の歴史上、藤原不比等は最強の男であったかもしれません。藤原四兄弟と呼ばれた息子たちとともに中央集権化に力をつくしました。娘の宮子は文武天皇のきさきになり、光明子は聖武天皇の皇后にまで上りつめました。国の基礎が築かれ、1300年後のい…

東大寺/朝に歩けば。柔らかな光がゆっくりと射してきます。叙事詩の舞台の幕開けのようといえば大袈裟か。

天が広いことは知っていても、その広がりを実感させるところはなかなかあるものではないでしょう。東大寺の朝は絵に描いたような壮観な風景を見せてくれます。雑音は耳に届かず、雑念はどこか遠くへ。原生の裏山で鴉がかぁと鳴きました。 1300年という時…

なら燈火会/蝋燭の灯が揺れています。夏たけなわ。見なれない灯りの行列に暑さを忘れていきます。

猿沢池から興福寺を東に抜けると博物館の広場に出ます。さらに浮雲園地から東大寺へとまわります。さいごに浅茅ヶ原から浮見堂へと向かいます。奈良公園の輪郭をなぞるような散歩コースですが、夏のひとときだけ、一帯は蝋燭の灯りに照らされていつもと違う…

興福寺 夏の朝/酷暑の夏とはいえ、朝まだき、微かな風が清々しい。若々しい僧侶の般若心経が聞こえてきました。

どうしたことか凄まじい猛暑の日々が続いています。不要不急の外出を控えるようにと天気予報。それでも東から太陽が昇る頃、興福寺の境内では束の間の静けさとともに爽やぐ風が吹いていました。日課なのでしょう、若い僧侶三名が境内をまわり般若心経を唱え…

東大寺/室町時代末期の大風で倒壊した西大門。江戸の火事で焼けてしまった中門。近くに聖武天皇ゆかりの御拝壇がありました。

みとりい池の北側に礎石だけの西大門跡があります。さらに北に向かえば中門(焼け門ともいう)、そして転害門となります。いまでこそ南大門の方が東大寺の正面になっていますが天平時代はこちらの方が表だったように思われます。二条大路につながっていた中…

奈良町と周縁/降りみ降らずみの梅雨の散歩。木々を渡ってくる風はしっとりとして鈍い光さえ風景に和しています。

奈良町には1300年前の道が東西南北に走っています。細く、くねくねと、上がったり下がったり。まっすぐに見えるところでも凝視してみれば左へ右へと微妙にぶれています。なんともいえない味わいがあって趣深い。今どきこんな所ちょっとない。ああ、きっ…

鹿/野生でもなく、野良でもなく。いつの間にかお辞儀をおぼえて煎餅を頂戴しています。・・・いやはや!

奈良町と鹿の関わりは平安時代からです。神の使いとして大切にされてきました。江戸時代のこと、家の前に鹿が死んでいたら興福寺に届けを出します。そして検分ということになりますが、処理の費用とあわせてちょっとした清め銭をとられたとか。奈良町の人は…

若草山と原生林/頂上への散策路が原始林で覆われている。木漏れ日が揺れている。古代を歩くよう。

いつ登っても、なんど歩いても、飽きることのない散策路です。人の手が加わっていない森の中を縫うようにして自動車の通らない砂利道が続きます。表の整備された公園の道を歩くことも、はたまた自動車で山頂に向かうこともできますが、原生林の道でこそ自然…

奈良の鹿/神の使いの鹿。百人一首にも歌われた奈良を代表する風物詩です。千年も前からのことです。

年末の角伐りも終わり、そろそろ新しい角を突き出してくる季節となりました。血管の見えそうな柔らかそうで小さな突起物です。これを袋角(ふくろづの)と言うそうで、その昔には薬用(強壮剤)として重宝されたようです。秋になればこの角袋も立派な堅い角…

春立つ奈良/寒々とした奈良の台地にもいつともなく夕靄が立ちこめています。おぼろにかすむ春はすぐそこに。

暦の上の立春が過ぎたとはいえ、近頃の気温の低さは尋常ではありません。北から吹きすさぶ風は冷たく、ともすれば粉雪がちらちらと。ほころび始めた梅の花も縮み上がっています。とはいえ、ときどき柔らかな陽光が降り注ぐように射してくるようになりました…

東大寺/梅雨晴れの朝 大仏殿裏手の木々を渡ってくる風は瑞々しい。行基も重源もこの空気を味わったに違いない。

お水取りと言われる修二会では神名帳を読誦しますが、はじめに読み上げられるのは金峯山寺の蔵王権現です。金峯山寺とは修験道の開祖と伝えられる役行者が創立した寺であり、蔵王権現とは吉野の山で修行中に感得した釈迦如来の化身です。 行基や重源のみなら…

飛火野の初日の出。冷やっとしているものの、神々しい。古代と同じ光を射しただろうか。

神が降臨するという御蓋山。凍てつく東の空から白くて冷たい光を射してきます。神奈備(かんなび)の辺りだからでしょうか、空の色は赤みを帯びたり、青みがかったり。 なぜか鹿たちもそわそわしていました。終いにはなにかを感じたらしく、いっせいに小躍り…

ほら、ごらん、奈良公園のかぎろひ。天が広々しているから、なにごとかが始まる予感を抱かせてくれる。

晴れ渡った朝はどこにいても気持ちを清らかにしてくれますが、奈良町の、東に広がる飛火野あたりは格別です。背後にシルエットになって連なっている山にはありのままの原生林が含まれています。隣接する御蓋山(みかさやま)は神奈備(かむなび)といって神…

天をつかめそうな若草山。小さな山なのに風景は大きく、古代まで見えている。

遠くからでもすぐにそれと分かる若草山。奈良のランドマークです。にもかかわらず、とても身近な存在で、急に思い立ち登ってもすぐさま頂上まで行き着きます。麓からたったの30分。しかもゆっくりと歩いて。 とはいえ景色は雄大なのです。この国を作ってき…

東大寺は昔日をなぞらえるようにして歩いてこそ。空海の足跡や運慶のノミの音を楽しむことができます。

奈良時代の東大寺、平安時代の東大寺、鎌倉時代の東大寺、江戸時代の東大寺。それぞれの姿が現代の東大寺に隠れるようにしてそこここにあるのです。そこを見て歩くことができれば、この寺院ほど魅力に溢れたところはそうそうないと思います。 どこにあるかっ…

ごそごそ、ぱたぱた、ざぶん、ぴちゃぴちゃ・・・。生きている音はオノマトペ!

ぶらっと、猿沢池から興福寺を経由して東大寺へ。30分もかからない距離ですが里山をたっぷり歩いた気分です。 樹木が多いせいか、鳥や昆虫が活発に蠢いています。 行くたびになにかがある。なにかがいる。なにかが聞こえてくる。 いつもの見慣れた者たちだ…

秋は恋の季節、といっても鹿の話。ラブロマンスといった甘い話はありません。雄の鹿は闘って雌を奪うのです。

飛火野でのこと。男らしいというべきか、勇壮な鹿が歩いてきました。奈良弁でいうと「シュッとしてはる」というところ。いつもは優しい目つきをしているのに今日はどうしたことか。すぐ横を通り過ぎるときには殺気すら感じました。 ゆっくりとした足取りで、…

鹿は神の使い。奈良時代から1000年以上も人のそばにいるとか。芝刈りを主な仕事にしています。

鹿

公園といわず、寺社にも、町の中にも出没する鹿。野生というより、野良といった方がなんとなく合っています。1000頭以上もいますが、メスの方が圧倒的に多くいます。誕生するときはほぼ同数だそうですから、オスは縄張り争いやメスの奪い合いなどで傷つ…

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