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奈良のアラカルト=ナラカルトは奈良の観察記録です。

正暦寺/神の酒は中世になって我らのもとへ。鎌倉時代にはじめて市井の人々の晩酌が始まりました。

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古代において酒は宗教や儀式と密接に結びついていました。信仰と関係なく、一人ぽつねんと一献かたむける習慣が生まれたのは鎌倉時代になってからです。栄枯盛衰は世の常というべきか、権力側の衰退がはじまると、権力者に付きしたがっていた酒造りの専門家に働き口がなくなり、結果として市井に下野してくることになります。それが切っ掛けでした。酒は庶民の側にぐんと近づいてきたのです。

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大寺院の手によって酒造りは始められました。持てる資本力や多勢の僧侶の人的資源がものをいったようです。となれば日本清酒発祥乃地の碑をもつ正暦寺はかなりの大きさを誇った寺院だったことをうかがわせます。いまでは山寺の雰囲気を持っていますが、残された参道の長さとそこに設えられた生垣や石積みの壮大さを見るにつけ、往時にいかに巨大な空間を占めていたのか想像に難くありません。

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寺院に伝承された技術があったからこそ、古代に神との交流に飲まれた酒が、人と人の交流において飲まれるようになりました。天平時代から仏教が徐々に庶民のものへと移行の道をたどりましたが、ひょっとすると軌を一にしているのかもしれません。となれば庶民の側に仏教を近づけた行基どのに乾杯、否、感謝です。

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