nalacarte

奈良のアラカルト=ナラカルトは奈良の観察記録です。

登大路 日吉館を懐かしむ/貧乏学生の泊まれる宿。いちどはすき焼きを馳走に。名だたる文化人の定宿でもありました。

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会津八一も、和辻哲郎も、小林秀雄も、土門拳も、平山郁夫も、貧乏学生の磯崎新もここを足がかりに奈良を巡っていました。雑魚寝しかできない部屋があるのみ。それでも寄り集まっていました。寝坊しては怒られもしましたが女将さんの悪口を言う者は一人としていませんでした。

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文化とはなにかと考えさせられます。立派なものとは無縁の日吉館でしたが見事な存在でした。文化人にかぎらず、志賀直哉を訪ねた学生たちの定宿でもありました。前に広がる博物館の庭や裏手の東大寺を散歩しては思いを巡らし、この国のなんたるかを模索したことでしょう。

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女将さんの切り盛りは愛情そのものでした。訪れる者にわけへだて無く接してくれました。1995年に80年の歴史をとじましたが多くのものを残しました。日吉館の周辺はすっかり変わってしまいましたが、その記憶はこの地に克明に刻まれていつまでも語り継がれていくことでしょう。

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