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奈良のアラカルト=ナラカルトは奈良の観察記録です。

法輪寺/三重塔 幸田文の勧進があってこその再建です。江戸っ子が斑鳩三塔の景観を取り戻しました。

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幸田文は、三重塔(落雷によって焼失)再建に奔走する失意の住職と東京の出版社で運命的に出会いました。聞くうち、持ち前のおせっかいに火がつき勧進を決意しました。65歳から75歳になるまでの老人のふんばりでした。出せるものはすべてだし、着物がすり切れるほど日本を回り勧進したと言います。

痛快。感服の至りです。

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文は幸田露伴の次女で、父から厳格な教育を受けて育ったようです。露伴は谷中の五重塔を題材にした小説を上梓しましたが、この五重塔が焼亡する姿を文はじっさいに見ています。その時の無残な光景が法輪寺の三重塔に重なったのでしょう。見て見ぬふりをできなかった。父親譲りのいさぎよさが文のこころを奪いたたせたのです。

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「父は紙の上で文字の塔を組み立てた。私は実際に建てる総檜の塔を夢見た」文はやり遂げました。国家事業クラスの再建を65歳過ぎのおんなが全てをなげうって取り戻したのです。

宮大工の西岡常一たちが現場を仕切りました。飛鳥時代の工法で作り直しました。そして斑鳩の景観が復元されたのです。

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