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奈良のアラカルト=ナラカルトは奈良の観察記録です。

仏教美術資料研究センター/明治の奈良県物産陳列所。和魂洋才のデザインが標本のように残されています。

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明治35年(1902)に竣工された当時は物産陳列所でした。殖産興業政策が推進されたときの遺構というべきか、富国強兵を推しはかった末の形見というべきか、西洋の技術を導入して急速な変容を遂げたかたちがここにこうして残っています。

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奈良時代に見られるような古典的建造物からの引用が多く、和風と洋風混在した外観のなかに宮大工の技術が散見されます。西洋に負けるなと気鋭の人々が立ち上がった結果でした。たとえば、蛙股(かえるまた)+イスラム風窓。この発想、いまどきちょっとない。見慣れないデザインとはいえ、春日大社のこんもりとした参道になぜか似合っているのです。

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やみくもに西洋と日本のものを一緒にさせてもこうはいきません。古代建築様式の豊かな知見があったればこその偉業です。西洋化した近代のなかに法隆寺も新薬師寺も生かされている。採光窓からアーチにさしかかる柔らかい光。明治といえば勇猛果敢な側面が目立ちますが、じつはこうしたやさしさも兼ね備えていたのです。

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