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奈良のアラカルト=ナラカルトは奈良の観察記録です。

大安寺/戦前戦後を通じてのこと。ベートーヴェンのピアノソナタ第8番「悲愴」がドイツのピアニストによって奉納されました。

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ドイツの名ピアニストと言われたヴィルヘルム・ケンプが5回にわたってピアノ演奏を奉納しています。聖徳太子を開基とする大安寺の境内にてベートーヴェンやバッハの曲が奏でられました。なんとも妙な縁ですがそもそも仏教儀式と楽舞は切り離せないものです。往時にはインドやベトナムから舞楽が届いたとか。ジャンル云々などとケチな料簡はなし。このときも神妙さと華やかさが天に舞ったことでしょう。

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その昔、大安寺にはインドやベトナムから仏教全般を伝え教える僧侶がやってきたそうです。教えを請うたなかに林邑楽という舞楽があったそうで、儀式を盛り上げるための技術と演出を学んだようです。のちに雅楽にも影響を与えました。こうしてみると仏事と音楽は古くから手をたずさえて仏教を広めてきたことがわかります。

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大安寺は空海最澄も学んだ寺院です。空海は大安寺で得度し、最澄は大安寺の僧によって得度し、ふたりとも東大寺で授戒しています。ケンプのたたく鍵盤の音はとても柔らかい。空海最澄が聴くことができたなら、キリスト教文化圏の音楽だからといって拒絶することはなかったと思います。

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